モラハラ夫(彼氏)と別れたくても別れられない理由
モラハラ夫(彼氏)と別れたくても別れられないというご相談は実はとても多いです。
「別れたいのに別れてくれない」ではありません、「別れられない」のです。
そして、この感覚は、とても特殊な感情で、全くわからない人にはわからない感覚でもあります。
ですから、悩んでいる本人はとても苦しいのですが、その感覚のわからない周りの人(友人や家族)からは、いつまでうじうじしているんじゃないと諭されてしまったり、愛想をつかされてしまったりということが起こります。
モラハラ被害者が抱える見捨てられ不安
別れたくても別れられないという方の多くは、「見捨てられ不安」という問題を抱えています。
「私を見捨てないで」「一人ぼっちにしないで」というような感覚です。
この感覚があると、
理性的に考えれば何も問題がないはずなのに、相手がいなくなってしまうということに過度の恐怖を感じます。
例えば、経済的には自立していて何の問題もないのに、いざ別れるとなると急に不安が襲ってきて、「でも仕事はずっと続けられないかも知れない。」「もしかして私が病気になって働けなくなったらどうしよう。」などと、
色んな理由をひっぱりだしてきては、過剰に不安になるという症状です。
この時、自分自身に「見捨てられ不安」があるという認識出来ない方もいらっしゃるかも知れません。
「本当は冷静に考えて大丈夫なはずだし、周りも大丈夫と言っているのに過剰に不安で、死んでしまうかのような恐怖心を感じる」
このような症状がある方は、「見捨てられ不安」のある状態であるかも知れません。
頭ではわかっているのに、過剰に不安で動けないのです。
モラハラ被害者が抱える共依存
「別れたくても別れられない」もう1つの理由が、共依存です。
共依存とは、「ある人間関係に過剰に囚われ、離れられない状態」のことです。
モラハラ加害者と被害者は、共依存関係に陥りやすいといわれています。
もちろん、共依存の根本には、見捨てられ不安の問題も潜んでいることもあります。
この2つは、相互に作用しあって、さらに加害者から離れられないという心理状態をうみだします。
共依存は、モラハラ被害者さんのもともとの気質のところもありますが、モラハラ環境というのは、共依存を作りやすく、洗脳されやすい環境ですので、さらにこの傾向が強化されていってしまうのです。
共依存関係を作り出し見捨てられ不安を強化する、モラハラ夫(彼氏)の手口
モラハラ被害者を無気力にさせる
正常な判断力を奪う
モラハラ夫(彼氏)との2人だけの空間で、夜通し説教を続けられる、長時間暴言を言われ続けると、正常な思考力はどんどん奪われていきます。
冷静に考えたら理屈があわないようなことも、モラハラ夫(彼氏)の言う通りなんじゃないかと思ってしまうのです。
そうなると、私なんてダメな存在なんだ、夫(彼氏)なしでは生きていけないんだという思考にも繋がっていきます。
過剰に優しくしてくる
モラハラ夫(彼氏)には、モラハラ期と、ハネムーン期というのが存在します。
ハネムーン期になると、とても優しく大切にされているなという時間を過ごすことができます。
普段のモラハラ期とのギャップも相まって、その優しさが密の味になってしまうのです。
ハネムーン期のモラハラ夫(彼氏)の姿を、本当の夫(彼氏)であると感じる方も多く、
「本当は優しい人なんです。」
「優しい時の彼が忘れられません。」
と言ったご相談も多いのですが、
ハネムーン期がモラハラ夫(彼氏)の全てではなく、モラハラ期も含めて相手であるということを忘れてはいけません。
日常の多くは、いつ怒られたり、怒鳴られたりすぐのだろうと、ビクビク相手の顔色をうかがうことがほとんどではないでしょうか?
モラハラ夫(彼氏)と別れられないと思ってしまうのは当たり前
これまでお話してきた、
「見捨てられ不安」「共依存」「モラハラ期とハネムーン期のギャップ」など、様々な要因により、モラハラ被害者さんは、モラハラ夫(彼氏)から”離れられない”という思い込みが強化されています。
この状態で、「別れられない」と、思ってしまうのも当然のことです。
ですが、
「別れたいけど別れられない」
と、悩んでいるということは、「別れたい自分」もいるということです。
今の状況が苦しくて抜け出したい、幸せに生きたい。
それが、結果的に別れることなのか、一緒にいても可能なのか、今は判断がつかないかも知れません。
ですが、現状の苦しさから抜け出して、幸せになりたいという思いはありますよね。
そのために、行動出来る自分になっていくことが、根本解決にも繋がっていきます。
モラハラ夫(彼氏)と別れられないと思ってしまう理由
優しい時の夫(彼氏)が忘れられない。
モラハラさえしなければ理想的な人だと感じてしまう。
私しか夫(彼氏)を支えてあげることが出来ない。
モラハラ夫(彼氏)が可哀そうに感じる。
モラハラ夫(彼氏)を好きだと思ってしまう。
このような理由から、別れられないと思ってしまう方は多くいらっしゃいます。
ですが、それ以上に本当は、自分の心がもう辛いと叫んでいるはずです。
自分の方が何倍も可哀想な状況になってしまったのに、まだ攻撃してくる相手のことを可哀想だと思ってしまう。
自分の心を傷つけるような人なのに、そういう人を好きだと思ってしまう。
そう思ってしまう、感じてしまう心の問題があります。
今、そう思ってしまって大丈夫です。
カウンセリングが進んで心の問題の解決が進んでいった時に、自然と考え方、感じ方は変わってきます。
その時に、もう一度判断してみてください。
目の前の相手と本当にこれからも一緒にいたいかどうか。
モラハラ夫との離婚の決断が出来ないあなたへ
離婚というのは、人生の中でも大きな決断の1つです。そう簡単に決断出来るものではありません。
しかし、いつまでも現状を我慢し続けるだけでは、あなたの時間と心がどんどん消耗されていってしまいます。
これまで、何年も悩んで答えが出せていないのでしたら、一度ご相談にいらして下さい。
こういった方は、ほとんどの場合、「離婚したくない」わけではなくて、離婚したいけど怖いのです。
長年モラハラ被害を受け続けていると、自分の気持ちというものがわからなくなってしまいます。「私はできない」「私はダメだ。」と間違った考えを植え付けられているのです。
このような状態では、離婚に対して、「できない」と思い込んでしまいます。
しかし、その”できない”は、本当に”できない”のかと考えて欲しいのです。
離婚はしたくないからしていないのか。
離婚は出来ないと思い込んでいるからあきらめているのか。
この差は大きいです。
怖くて進めない時、
離婚した方がいい理由を一生懸命探して自分に言い聞かせても、動けるようにはなりません。
「動かなくては」と思うほど、動けない自分に苦しくなってしまうのではないかと思います。
そして、「離婚したいのに動けない」という思いを日常の中で、何度も繰り返すたび、「やっぱりできない」という感情を強化していってしまうのです。
私も長年、そう悩んできた一人でもあります。
そして、これまでサポートしてきたクライアントさんの中にも多くいらっしゃいます。
ですが、そこから皆さん自分で答えをだして、離婚出来るようになっていきます。
皆さん、一歩踏み出すまでは、怖いとお話されますが、
離婚後の生活の様子は、まるで別人のようにいきいきされています。
一緒にいるのは苦しいのに、好きな気持ちがあって離れられないというご相談をよくいただきます。
一緒に居るのがもう苦しいということは、十分わかっているのに、どうして離れられないのでしょうか?と涙ながらにご相談にいらっしゃるお客様は多いです。
それだけの2人の関係性があったし、よい思い出もあったのだと思います。そう簡単に割り切れるものではありません。
はじまりは、好きだと思った、素敵だと思った気持ちからだったはずですし、幸せな時間があったのも事実ではないかと思います。
- ずっと一緒に居たい
- よい関係で居たい
という思いがあったからこそ、その願いを叶えられなかったという現実を向き合っていくのは、とても苦しいことでもあります。
「別れた方がいいのは、十分わかってる。だけど、別れてしまったら、これまでの私を全て否定してしまうようで苦しいです。」
こうお話される方もいらっしゃいます。
とっても、苦しいですよね。
ですが、これまでのあなたを否定をする必要はありません。
よい思い出は大切にしておいていいのです。
”幸せな時期もあった”
これもまた、事実です。
- もしかして、本当はいい人だったのではないか。
- 私が悪いからこうなってしまったのではないか。
- 私がもっとこうしていたら、こんなことにはならなかったのではないか。
- もしかしたら、今後はうまくやっていけるのかも知れない。
- 本当はこんな人じゃない。
- 優しい一面もある。
- 厳しいのは私のためを思ってこそ。
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